- 大豆を水が澄むまで洗う。洗い水は総量で大豆1kgにつき1リットル。洗い方は途中、2〜3度水を替えること。
- 大豆を水に浸ける。水温15℃の状態なら、15〜16時間。これで大豆は大体2.2〜2.3倍に膨らむ(季節によって浸漬時間を調整するこ
と)。浸漬の見極めは、大豆を一つ取り出し、割ってみた中心部に筋がなくなって平らになっていること。浸け水の量は、充分に膨らんだ状態でも大豆が水から出ないように、多目にしておく。
←膨らんだ状態の大豆
*) 必要以上に浸水すると大豆がダレるので、時間の逆算はきっちりと。また、水温もあまり高くしないこと。冷所が望ましい。
- 浸漬がokならば浸け水を捨て、大豆を計量(容積で)。大豆の1.5倍 の引き水を加え、ミキサーに20〜30秒掛けて粉砕・攪拌。生呉を作る。
- 生呉を鍋に入れて火に掛ける。最初は強火で一旦沸騰させ、直ぐトロ火にして5〜8分ほど。加熱中は常に鍋底をかき混ぜていることと、絶対に吹き零させないことがポイント。吹き零れそうになったら、一旦火を止めて泡が消えるまで待ってから、再加熱。
細かい気泡が出てくる→
- 呉が煮えたら、晒し袋で絞る(火傷注意!!)。容器の上に笊を乗せ、 その上で絞るとか、状況に合わせて手早く、でも丁寧に絞ること。
→
- こうして採取した豆乳の表面にある泡を、竹串などで潰し(「す」が入るのを防ぐため)たら豆乳の容量と温度計測。
70〜75℃ならば直ぐに、温度が高いなら冷ましてから、逆に低いならば、
a) 容器ごと湯煎に掛けて温度を上げる。
b) いっそのこと15℃以下まで温度を下げてしまう(湯煎方式)。
などなどの調整をして、苦汁を打つ。
**) 苦汁の量は前述のレートで決める。また苦汁そのものを計量スプーンで図る際は、きちっと「擦りきり」すること。「海精にがり」は原液状なので、どうしても表面張力の関係から量が多めになり易
いので。...苦汁は、多目ならばむしろ少な目の方がマシ。
***) 「湯煎方式」のやり方
a) 先ず大前提として、苦汁自体が巧く反応してくれる温度は70〜 75℃。...が、普通の作り方だと、豆乳はどんどん冷めてしまうワケで、しかもその間に上手に攪拌してあげないと、豆腐の喉越し
が悪くなるし、かといってあんまり乱雑に攪拌すると、今度は泡 だって、豆腐にすが入ってしまいます。そこで、最も手軽で失敗の少ない方法として挙げられるのが湯煎方式です。
b) 「湯煎方式」は苦汁が殆ど反応しない温度(15℃以下)で、先に豆乳と苦汁を綺麗且つ丁寧に攪拌してしまって、その後、湯煎に掛けて豆乳の温度を、苦汁が反応し易い70〜75℃まで上げ、凝固させ
る、というものです。
****) 通常の苦汁の打ち方
a) 豆乳を固める容器(丸いものが良い。きれいな対流がつくれる から)を木箆などで、「泡立てないようにしながら」円を描くように攪拌・渦を作る。
b) 対流の渦が出来たら、苦汁を一気に打つ。
c) そのまま同じペースでかき回していると、直ぐに蕩味がついてくるので、かき混ぜるのやめ、流れが止まったら木箆などを垂直にスッと抜く。
- そのまま容器に蓋をして15分熟成。ただし、豆乳の温度が一気に下がってしまうのは拙いので、気温がとんでもなく低い時は容器ごとぬるま湯に掛けること。
- 15分経ったら蓋を開けて状態をチェック。水とプリン状の豆腐が多分、綺麗に分離している(ハズ)。この状態が「絹ごし豆腐」で、もう食べられる。
*****) 本来、絹ごしを作るのなら、小さい容器で作るのが無難。凝固もし易く、後々の型抜きもラク。但し、円形ではないので、綺麗な対流が作れず豆腐の固まり方にムラが発生する可能性アリ。
- 一方「木綿」の場合は、8)で分離した水を除き、固まっている豆腐に包丁などで切り込みいれてから、穴杓子やレードルなどで掬い、敷き布を敷きこんだ型に入れていく(プリン状は崩すの可)。
- 9)に蓋とコップなどの重石を乗せ20〜30分放置。ここで染み出た水は湯豆腐の湯に使える。
- 型箱から木綿豆腐を取り出し、適当な大きさに切り分けて完成。
*1 型箱について
市販の手作り豆腐キットなんてモノも東急ハンズや合羽橋へ行けばゲットできるみたいですけれど、あんまり大きくなくていいのなら、牛乳パックを倒した状態で注ぎ口をきちんと壁状に立てて留め、底面に穴を空ける&上面を切り取る、という即席型箱が作れますよ〜、ニコニコ。
あと、一丁ずつ作るのでもいいなら、市販の豆腐のパックを再利用することも可だったりします。底に穴を空ければ。ただ、豆腐パック利用は温度との兼ね合いもあるので、個人的には牛乳パック利用がオススメだす。
上面は切り抜いておく。
↓
_______________
/ /| ←三角だった注ぎ口の面を綺麗
/_____________ / | に一度開いて、その後で箱状
| | | に仕立てる。
| | /
| |/
───────────────
↑
底or側面に穴を沢山空けておく。
何となく判りますかぁ? ほんで、ポイントは表面の大きさに合わせた面積の、フタ(のようなモノ)が必要でして、これは発泡スチロールとかベニヤ板製がいいだす。苦汁によってある程度固まった豆腐を型箱に入れて、フタをして上からコップとかの重石をしまして、と。それで水切りすれば出来上がり、ニコニコ。
あ、型箱にはガーゼや晒しを敷き込んでおくことも大事だす。因みに拙宅では内祝いか何かで頂戴した(多分、茶筒が数本入っていたハズ)バルーサ材の箱の側面に錐で大きめの穴を沢山空けた代物を使用しています。
つまりは、耐水性のある箱に穴を空ければ利用出来る、ということだす。
他に型箱の代用物として、みどりさんが使われたヨーグルトの容器や、木製の素麺箱、漬物などが入っている「わっぱ」風の木製容器なども、穴を空ければ活用できます。
*2 工程途中の目安となる数値
「大豆(国産・乾燥状)1kgから採れる豆乳は、2〜3リットル前後」
「大豆1kgでお豆腐は、どんなに手作業で歩留まりが悪くても6〜7丁は出来るハズ」
*3 ミネラルウォーター使用の理由
豆腐の味はもちろん、普通の水道水は、味もさることながら塩素が入っているのでph値が8以上になってしまっていて、苦汁の反応が悪く、綺麗に固まってくれません。
番外編/もっと手軽に手作り豆腐(笑)
大豆から豆乳を採取せずに、市販の無調整豆乳+苦汁でも作れます。湯煎方式ではない、本来の苦汁打ちの練習にはぴったりです、ニコニコ(来るべき豆腐オフに向けて...、とゆーのもアリかも知れない(笑))。
とまぁ、こんなカンジです。ほんで、ここまでで絹と木綿の違いはお判り戴けたと思いますが、一方の充填豆腐は、要するに上記「湯煎方式」をもっと工業的に施行したもの、と考えて戴ければ「大筋では」外れていないと思います、ハイ。(TEXT:ゆう)

作りたての豆腐と湯葉は薬味がいらないと感じるほどの美味しさ↑
豆腐作りの大変さも実感 |