わかりやすい料理、連呼しやすいネーミングにしよう! 「あったかいお汁粉がありますよ〜」「あったかい三平汁はいかがですか?」というのはマルですが、「じゃがいも団子の味噌汁はいかがですか?」では連呼しにくいし、じゃがいも団子って語感がいまいち美味しそうじゃない...。 「鶏手羽と大豆のトマト煮込みはいかがですか?」って、レストランで本日のお勧め料理を説明してるんじゃないんだから...。 2000年の夕張での炊き出しでは、取りあえず「北海道の食材を使ったあたたかい料理」というコンセプトで攻めてみたので、ネーミングまではまだ手が回っていないのでした。 だし、スープは大量調理の土台です! 市販のカレールーで作ったカレーも、おでんの素で作ったおでんも、それはそれなりに美味しいものです。それは大前提として、私たちはFCOOKerなので、やっぱりちゃんとひいた出汁やスープで作った料理は美味しいことを知っている。でも、ほとんどの場合が屋外で、鍋も道具も限られた場所での大量調理に小難しいことはゆってられない...。 なので、「ひとつ鍋」でできるだしやスープの段取りを事前に考え、それをしない場合は素材そのものから出る野菜や肉のエキスを活かす調理を工夫します。(「玉こん」の出汁となったスルメ、「ボルシチ」では肉とソーセージ、ベーコン、野菜からの旨味で、「ポークビーンズ」ではベーコンと鶏の手羽先をそのまま使うことでスープも出るし具にもなる、という感じ) 必ず事前に試作はしておこう! 机上の計算で単純に数字を掛けるだけではほとんどの場合多過ぎます...。 また、汁物の場合は具が多過ぎて汁が足りなくなるというケースも多発します。 不公平にならないように! 最初の人には大きな肉の塊が、最後の方の人には肉も野菜も煮溶けてしまってドロドロの汁だけ...、なんてことは避けましょう。 一皿、一椀に必ず一つ入っていなくてはならないようなメインの具があれば別鍋に取り分けておいて、盛りつける時にそこから入れるようにしましょう。(「ボルシチ」の時の工夫を参考にしてね!) 大鍋での「蒸発」は半端じゃないから注意しよう... 早めに作っておいて、提供する時間に温めるというケースが殆どだと思いますが、大鍋の場合、冷えていく間と、再加熱する間に蒸発する水分は半端な量じゃありません...。味の加減がすっかり変わってしまうこともあります。(「韓国雑煮」の経験をご参考に!) 鍋を離れる時は... 鍋番がいれば一番安心ですが、そんな人手がない時は...。 よーするに、気安く蓋をあけてつまみ食いしてみたり、ちょっといたずらしてやろうなんて気を防ぐために「開けちゃダメ」「触っちゃダメ」の意思表示はしっかりしておきましょう。確信犯的な悪意の前には無防備だけれど、そんな人はまずいないということを信じて。
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なので、必ず事前に試作はしておいた方が安心です。
その試作も、一人分をどの程度の量として想定するのか(それ一品である程度満腹感が得られるようにしなくてはならないのか、他にもいろいろ料理や食べるものがある状況で提供するのか、お腹が空いている時間帯に提供するのか等々)を決めてから、7〜8人分の試作をしてみれば、10倍の量も大体予測できるように思います。
なので、必ず蓋を使うこと。でも、大鍋ってたいてい蓋がない...。
そんな時は、アルミホイルを何枚か繋ぎあわせて蓋代わりに。
また、作り置きしておいたものを再加熱する場合、一気に提供するのでなければ別鍋で一定量ずつ温めて出していくというのもいいかと思います。
鍋に蓋をして、蓋のツマミと鍋本体の把手をヒモで縛っておくとか、
蓋がない時はアルミホイルを繋ぎあわせて蓋代わりにしたものの周囲をグルッとヒモで縛っておくとか...。
ここでの「炊き出し料理」は、地域や学校などでのイベントの際に参考にして頂ければということを想定しています。災害時などの炊き出し料理については、また全く別の配慮も必要になると思われます。阪神淡路大震災の炊き出しに参加したFCOOKメンバーやボランティア活動に取り組まれた他フォーラムの方々のご経験も伺わせていただきながら、いつか災害時のための炊き出し料理についてのノウハウもまとめられればと思います。ご経験のある方、ご連絡ください。(→SYSOP/松尾康子)*