- 聖なる日のお菓子をどうぞ -


講師:BAECKERさん

 
 ◆ シュトーレンってどんなもの?
 

 


<ドイツのクリスマス>
 

私が住んでいたミュンヘン(南独、バイエルン州・州都)では9割がカソリック教徒で、敬虔で静かなクリスマスを過ごしていました。街の様子も11月末くらいから変わりだし、市役所前広場にはクリスマス用品の市が立ち、街のあちこちでシュートーレンを焼く香りと、グリューヴァイン(クリスマス用のワインを暖めた飲物)の香りが漂います。

各家庭の庭にある樅の木には電球の装飾が施され、家の中では4週間前から(クリスマスの前の4週間=Advante,降臨節、待降節)子供たちが指折りクリスマスの来るのを待ちわびます。そしてクリスマス、教会にいき祈りを捧げ、家庭では家族がキリストの誕生を祝います。

ドイツのクリスマス菓子にはシュトーレン、レープクーヘン、ヘキセンハウス、フルヒテブロートと地域によって様々なクリスマス菓子がありますが、降臨節に登場するのがシュートーレンです。


<シュトーレンの宗教的意味>
 

まず4本のローソクを用意します。そして降臨節の日曜日毎に1本づつ火を灯し、シュトーレンを少しづつ薄く切って食べていきます。4本のローソクに全て火がともり、シュトーレンを食べきるといよいよクリスマス・・・。

シュトーレンを初めて見た私の知人は「なんて大きなドーナツでしょう。」と、私は絶句。確かに砂糖をまぶしてあるのでそう見えたのかも知れませんが、その形一つとっても謂れがあります。諸説あるのですが、一般的にはキリストが生まれたときに使った枕の形を模しとたものと言われてます。


<シュトーレンの食物的意味>
 

現在でこそ真冬のドイツでも新鮮な野菜や果物が容易に入手出来ますが、今日のように交通機関や農業技術の発達見られなかった昔ではどうでしょうか、食卓にのぼるものはザワークラウト、ジャガイモ、バター・チーズ、ハム・ソーセージ、黒パン、あれ、フルーツは???。シュトーレンの生地の中に練り込まれたドライフルーツがフルーツ補給の唯一の方法だったように思われます。

 

  
 ◆ シュトーレンの種類いろいろ
 

 

 

 ドイツで作られているシュトーレンの種類とその特徴を簡単にまとめてみました。

  • Christstollen(クリストシュトーレン)
    テキストとしてアップしたドレスデナータイプとほぼ同一。サワー生地は使わない。
  • Weihnachtstollen(ヴァイナハトシュトーレン Weinacht=クリスマス)
    テキストとしてアップしたドレスデナータイプとほぼ同一。サワー生地は使わない。フルーツミックスはレーズンのみ。
     
  • Adventsstollen(アドベンツシュトーレン Advent=降臨節)
    脱脂粉乳を使い、牛乳を使用しない。
     
  • Mandelstollen(マンデルシュトーレンMandel=アーモンド)
    マジパン、アーモンドを配合
     
  • Quarkstollen(クアルクシュトーレン Quqrk=カッテージチーズ)
    カッテージチーズを配合
     
  • Mohnstollen(モーンシュトーレン Mohn=ケシ)
    ケシの実のフィリングを配合
     
  • Nussstollen(ヌスシュチョーレン Nuss=木の実)
    木の実(クルミが主)のフィリングを配合

 

 

シュトーレンの作り方